宇宙をぶらぶら漂流中

時松功平です

相互作用銀河(前半)

土曜日の午前7時ごろに目が覚め、僕の4連休は始まった。

起きてすぐ、メールや着信をチェックすると、僕はそのままパソコンでゲームを始めた。
ゲームは日々をやり過ごす為のツールでもあるから、その惰性についつい嵌ってしまう。

でもずっとは続けていられない。特にその日はそうだ。
ずいぶん前から4連休の間、関西に行くことを決めていて、その日も滋賀に住む大学時代の友人Aに会いに行くという約束をしていたからだ。

新幹線でだいたい3時間、1万5000円を費やして、滋賀へはあっという間に着いた。

Aは車を駅前の地下駐車場に停め、改札ゲートの向こう側で僕を待っていてくれた。
前に会ったのは年始の福岡。1月4日以来だ。なぜその時会ったのか、何をして何を笑いあったのかは思い出せない。

駅を出た僕たちは、そのまま歩いてちゃんぽん屋に行き、Aがおいしいと勧めるラーメンを注文した。
食事が到着するより前、Aは恋人ができたと僕に教えてくれた。その人は、彼の近くの街に住み、偶然にも同郷なのだという。ラーメンはとても美味しかった。

それから、Aの車で、彼がよく釣りをする場所だという琵琶湖畔の開けた場所に連れて行ってもらった。
車を降りるとAは「ここは湖南だから、対岸が近いんだよね」と言った。あたりは陽も暮れかかり、空と山の稜線は紫がかった空間で繋がっていた。僕は夏が終わるということをはっきりと意識した。

その後2人でカラオケに行き2時間ほど歌い、ピザ屋でピザを2枚テイクアウトし、コンビニで酒を2本ずつ買い、Aの家に帰った。
会話はもっぱら、Aの恋人や、共通の友人である僕の昔の恋人の話、音楽の話、3年目になるAの仕事なんかについてだった。


翌日昼前に起きると、Aに琵琶湖東岸の安土城跡と彦根城に連れて行ってもらった。安土城本能寺の変後、建造物は焼失し、標高200メートル弱の安土山に沿って這っている野面積みの石垣を遺しているだけなのに対して、彦根城関ヶ原の後に築城を開始した標高50メートルの平山城で、戦火に見舞われていないこともあって400年以上も前からの天守閣が綺麗なままで現存しているし、城下町もあって訪れやすかった。市のお役所の人と一緒にひこにゃんも居た。
観光客の多さは一目瞭然だった。


日曜日だというのに安土城には数えるほどしか車も停まっておらず、その北に位置する彦根市の城では、至る所で混雑を味わった。


しかしそのどちらも楽しめた。城めぐりを快適に過ごすことができ、また、寂しさに襲われなかったのは、Aは翌日から仕事が始まるというのに、急勾配な山の上だろうが渋滞した観光地だろうが僕の行きたいところへ文句も言わずについて来てくれたお陰なのだと、今書きながら感じた。

 

そうこうしてAと僕は餃子の王将で夜の食事を済ませ、音楽について、あるゆるい約束を確認して、駅へと向かった。


僕は月曜日と火曜日を大阪で過ごすつもりだったので、連休中のAとの時間はこれでおしまいだ。

 

僕とAは互いに手を振りあいながら、彼との再会をなんとなく象徴付けていた改札ゲートを、今度は逆から通り抜けた。