宇宙をぶらぶら漂流中

時松功平です

東京をぶらぶら漂流中

あっちへ行ったりこっちに来たりしている。

東京へ着いた日、港から真っ直ぐアルバイトの面談へ行き、履歴書も書かないままその日のうちに働き始めた。友人が編集者として務めている雑誌の編集プロダクションの手伝いだ。ごく少人数で経営しているが仕事は絶えない様子で、いつも火事場のような忙しさだ。とりあえず今月は週4日出勤することになっている。

住んでいるシェアハウスは、荒川沿いの廃工場をなんとか住めるように工夫された、吹けば飛びそうな建物で、家賃は1万円だ。ほぼ木造で、ところどころ断熱材の黄色い綿が壁から飛び出ている。1年前からここに住んでいてITベンチャーに勤めている友人の誘いで住むことになった。この廃工場の二階には、二階の入り口を入るとすぐキッチンと長い卓のテーブルがある共有スペースがあり、4部屋の居住スペースと作業場が隣接している。作業場は住人が利用できるスペースで、木材や廃材を利用した家具職人や、カメラマン、画家の住人が工具やパソコンをいじっているのを見かける。屋上は開けた広いスペースで、寒いからあんまり行っていないけれどもスカイツリーがよく見える。ここまでの記述から概ね察する事が出来ると思うけれど、「変な所」である。変だからこそ、面白い。僕も充分イカレている。ちなみに僕と同部屋の住人はうどん職人。彼は固定の店を持たず、イベントなんかにスポット的に出店し、そこで人にうどんを食わせる。彼も僕もあまり家に帰らないが、彼を見かければいつもうどんを捏ねているか食材を触っている。そしてとても気のいい人だ。今度東京ドームでのイベント出店を手伝う事になった。

上京して一週間が過ぎたが、遊びの方もそれなりだ。高校時代の同級生と大学の後輩を誘って江ノ島までバイクに乗って観光をしたり、先に出てきた雑誌編集者の友人らとサッカーの中継やアニメを見たり、鶏肉を買ってかしわ鍋を作ったりなんかして楽しんでいる。

肝心の学びについては、入門するべき創作学校をどこにするべきか選んでいる状況だ。どこに行っても結局はするべき事は同じだが、周囲の環境というのは決して無視できる要素ではない。例えば味噌汁を作るにしても、水があまりに悪ければ人は飲まないだろう。

会いたい在京の知人や友人達に会えていない。そして、少しでも早く、自分は物語を書けるという実感が欲しい。東京に上陸し、都会をあっちへ行ったりこっちに来たりしながら、そんな事を考えている。