滅法暑い。
夜勤明けで朝方に眠り込んで、暑さで昼に起きた。
一階の方から賑やかな話声が聞こえてくる。
冷房の効いた居間に降りると、同居人と客人たちがいた。挨拶がてら世話話をした。
話によると、今日はこの家の本棚を作ったり床の補修をするらしい。
昼食は、そうめんと、同居人がバイト先から持って帰ってきた生姜焼きとウナギの入ったつくね串。
そして室温で冷ましたインスタントコーヒー。
豊かな夏の食事だ。同居人と客人が作ってくれて、一緒に食べた。
食べ終えた僕はそのまま横になって少し本を読んだ。また眠りたいと思ったが、やらなくちゃいけないことが山積みだ。昨日、頑張ると決めたので、我慢しなくちゃいけない。
それで、立ち上がって二階に戻り、インスタントコーヒーのカフェインが回ってくるまでの間、暑気のこもった部屋で汗を垂れ流しつつ、目覚ましがてらPCに向かい、運指と記憶と言語の機能を使って頭の体操をしている。これがなかなか僕には有効なのだ。
昨日もブログを書いた後に物事をスムーズに進めることができた。
3週間も手つかずで放置していた問題を5分で片づけてしまったくらいだ。
このブログは僕専用の航空母艦だ。空に飛び立つまでの滑走路であり、また、帰る場所でもある。
しかしこの部屋は煙草を吸えないからどうもいけない。肺が重い空気を孕みたいと恋しがっている。喉が、鼻腔が、舌が、唇が・・・。
演劇を書かなくちゃどうしようもない。ぼくはこれまで戯曲を書いたことがないし、東京に来るまで、まともに演劇を見たこともなかった。
しかし、東京に来て、いくつか演劇を見に行って、紙面と舞台の違い、読書体験とは全く異なる面白さがあることも知った。
緊張感。
言い表しようもない深い没入と緊張感が劇場にはあった。
これをどう活かすか。そのことばかり考えている。
劇場の中には、本物のまなざしがある。
生きた人間が、本物のまなざしの先で嘘を演じる。
光の当たる場所に居る人間と、暗闇にじっと座ったままの人間。
その辺りをもう少し掘り進めて、僕自身の考えを深め表現したい。
大層なことを言えども結局、楽しんで、書ききることができればいいと思う。
そうこう書いているうちに、ちょっと目が覚めてきた。
窓には蝉の羽音が染み込んできて、一階からは賑やかな話声に混ざって、時おり電子工具の駆動音が聞こえてくる。