宇宙をぶらぶら漂流中

時松功平です

冬の生活

めっきりと寒くなってきた。

風邪を引いて喉が弱っているので、これ以上空気を乾燥させないためにも暖房は使わない。

今日のようによく晴れた日に恵まれても、夜になれば身体の芯まで冷えはじめる。

蒸気立ちのぼる銭湯の湯に浸かっていたいものだが徒歩圏内に温浴施設はないので、ただ想像するだけで侘しくなる。

この部屋にある熱源はエアコンと電熱調理機と俺と猫のみだ。億劫な上に金も余計にかかるので、引っ越して1ヶ月が経つもののガスは開通させていない。

現代の一般的な一人暮らしの部屋に最低限必要であると喧伝されているもののうち、TV、冷蔵庫、洗濯機、 電子レンジはここには無い。

今のところ必要でないからだ。TVは言うまでもないとして、冷蔵庫に食材を溜めることなんてそうそうない上に、こうも寒いのにわざわざ物を冷やすなんて馬鹿らしく思えてしまう。(しかも、築年数が50年越えの木造建築なので押し入れの中はとても冷たい)だからといって電子レンジで温められるものなんて基本的に皆湯煎すれば間に合うものばかりだ。そして幸いなことにコインランドリーが近くに2店舗もあり、そのうちの1店舗は期間未定の値下げを行なっているし、外出するいい切っ掛けにもなっている。

こうした、当たり前に必要そうであるものから解放される経験は、ボーヴォワールの言葉を一部変えて言えば、俗に言う「まともな生活」というものが、実際に重要ではないということを悟って愉快ですらある。という気分だ。

しかし、寒さについてはなんとか対策を打たなくてはならない。自然の気温が生命を震わせる暖かさを再び取り戻すには、過去を振り返るのではなく、その時が来るのをじっと待つより他はない。

では、どうやって耐えやり過ごすのか、それを今考えてみようと思う。

先ず、この部屋にはカーテンがない。これを買い、もしくは作り、窓からの冷気を遮断するという手段。次に、重ね着や、敷布団に毛布だけという貧相な寝具を買い足すことで、自分の発する熱を保つというやりかた。炬燵や火鉢などを調達し、熱源を増やす案。そして、ガスを通す手続きをし、預け金15000円(これが厄介だ)を払い、暖かいシャワーを毎日浴びることができるようにするかだ。

これらを全て実行すれば、俺と猫だけの為にしてはいささか贅沢すぎる冬を過ごすことができる。

何か家財を手に入れるのであれば、ショッピングモールに並んでいるような新品の量産品は買いたくない。貰うか、中古か、せめて在庫のまま何年もすげ置かれているようなものだけで賄いたい。その方針は、俺のせめてもの倫理感から来るものだ。

今年に入って3度目の引越し先であるこの部屋は、今の時点で俺が考えている、人としての良い生き方を表現した場所にしたい。

寒さとの闘いひとつ取っても、俺なりの責任とそれに基づいた方法によって為し遂げられなければならないのだ。

 

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