ねえ、友達よ、きみは僕のことをどう思っているかい?
生半可なくせに自信家で、わがままなのを隠そうともせず、尊敬ばかりを求めていて、他人の素晴らしい点とかに話が及べば嫌味の一つでも言わなければ気が済まないこの僕を。
ねぇ、きみ。そもそも友達と呼んで差し支えなかったかい?
きみが僕のことを友達だと呼んでくれるならばとても嬉しいことだけど。
いつまで経っても器の小さなこの僕は、こんなことにこだわって気に病んでいる。
媚びたり、尊大になったり、馬鹿扱いしたり。それが人間らしいというのなら、僕は誰より人間だ。
あれだけ長い時間を共に過ごして、きみが僕の友達であるかどうかさえわからない。
あの時、全てが通じ合っていると感じたあの瞬間にきみは何を考えていた?
結局のところ、僕は僕で、きみは他人だ。僕らの間には無限の宇宙が隔たっている。
それでも、僕がきみに他の誰より親しみを覚えるのはどうしてだろう。友達よ。
きみのようになりたいと願った。しかし今では思わない。僕もずいぶん歳を重ねた。
惜しげなくきみにあげられるものはなんだろう。見返りなんぞ求めないで。僕はたくさんのものをきみから掠め取ってきた。
ありふれた分裂と超越。きみは僕で僕はきみなのかもしれない。
僕は今でも上手く世界に溶け込めず、自分とも分かり合えないままでいる。まったく。思い通りにはいかないことばっかりだ。
2020年 7月