宇宙をぶらぶら漂流中

時松功平です

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  この街のあらゆるもの、何もかもが模倣だった。わずかに挙げられるこの土地らしさといえば、強い陽射しで褪せたペンキと海からの潮風で腐食した鉄だけだった。僕はここへ帰ってきた。80年代アメリカ中西部の農家みたいな格好をして。それから僕は2日間、実家の僕の部屋にこもった。3日目の朝、歩いて図書館へ出かけた。途中、自転車屋に立ち寄ってクロスバイクを眺めた。全品がアメリカのなんとかいうブランドのもので、そのうちの街乗りに適していて最も安価なものは8万円くらいだった。パンツのゴムに乗りかけている下っ腹と年々塞ぎ込んでいく精神の為に僕には自転車が必要だった。ふらりと寄った自転車屋でそれなりに高価な自転車をその場でクレジットカードで買い、颯爽と図書館へ向かう自分の姿は、ずいぶん魅力的じゃないだろうかと想像した。しかし、いつまでこの街に居続けるかわからないので、昔やったポケモンのゲームみたい、にいつでもどこでも持ち歩けるわけではないうえに高価な自転車をその場の気分で買うには及ばなかった。
  図書館に着いてまずはトイレに行き、隣室からの空気と水の音で耳を楽しませ、それから僕はブコウスキーの文庫を2冊とフランシス・ベーコンの美術本を棚から抜き出して椅子に座った。それらの本に自宅から持ってきた『フラニーとゾーイ』を加え、代わる代わるに読み進めていた……。


  今日の半日での出来事をこうして記述してみた。これにドラマと内省を慎重に加えてゆけば小説として成り立つんじゃないか?やってみる価値はありそうですぬ。作品集第2弾を早く作りたいと思っている。

 

  作品集第2弾、ZINEでの掌編小説、写真家に依頼されたいくつかの散文と詩、そして応募用作品は、帰省期間中でマストの課題である。それから演劇の台本を書き溜め、ふざけて気楽なショートフィルムの脚本を書くのは努力目標。

 

  以上。図書館での暇つぶし。