宇宙をぶらぶら漂流中

時松功平です

活動記録

戸を叩く音で目を覚ました。この前朝に10杯もコーヒーを飲んで仕事を休んだマディが僕に大丈夫?とドア越しに呼びかける。要するに僕は寝坊した。15分くらいの遅れ。呼吸器や咽頭に違和感はなかったけれど具合が悪いということははっきりとわかった。まあそれでもすぐに着替えて下に降りた。みんなに軽く謝ってから仕事に加わった。ただ、最初の数分は集中力がまとまらないまま目やにも取らないままに突っ立っていた。みんなに疲れているよねと言われる。理由はなんだかわからない。別に明け方まで小説を書いているわけでもない。

ダブルワークはしているけれど、同じことをやっているTは元気そうだ。ただ最近僕は1人でいる時間は減ったし、仕事後も休まずに出かけたりするようになった。この疲れはずっと心のどこかに書かなければという思いを抱えていたり人に気を使いすぎていることによる心因性のものなのか、標高1300メートル超という高山環境に適していないのか、鼻詰まりが酷いからなのか、実家にいた頃にダラダラ楽な塾講師の仕事だけして遊んで暮らしていたからなのか、理由なんて名探偵コナンみたいにはっきりひとつと言えないが、どこにいてもくつろげない心苦しさは確かにある。仕事中も軽い忘れ物を多くしたり、まるで早発性痴呆のようにふやけきっていた。ミスがあり、オーナーの1人であるSというおばさんにどうしてお前だけいつも仕事が遅いのかとなじられた。理由なんてコナンみたいにはっきりひとつと言えないから、ちっさなおばさんを見下ろしながら、ただわからないとだけ答えた。おばさんは寝るのが遅いんだろうと断言した。ただ、ぼく自身ももっと眠りたかったので仕事を終え、できるだけたくさんのご飯を食べてから眠った。目覚めると8時くらいになっていて、ぼくはカートヴォネガットの『青ひげ』を読み進めた。主題とは異なるが主人公が少年だった頃、男が放出しなかった精液は万能のビタミン剤となって、芸術家にとって必要な想像力や活力を与えると信じていて、その小説の中では現にそれは事実だったと老年の主人公が述懐していた。ぼくはあまりにも信じやすく単純なので、全く科学的根拠や事実証言に基づかないこの理論を実践してみようと思っている。

夜になってTが映画を見たいということでipadを借りにきた。ぼくはLINEやSNSを削除してから渡し、その後姉歯建築士のことや堀江メール事件なんかを思い出したので彼らのその後や中学生当時分からなかった事件の詳細などを検索したりした。

よく眠ったからか、気力は復活し、気分も前向きだ。ただの夜型なのかもしれないが。書いているときはやっぱり面白い。

あまりポジティブな文脈からではないのだが青ひげの一節をここに。「ヘロインの注射ぐらい強力で無責任なものを発見したーーー巨大なカンヴァスにたった一色の絵具を塗り始めるだけで、まわりの世界がどこかへ飛び去ってしまうのだ。」