宇宙をぶらぶら漂流中

時松功平です

アイデンティティを引き受ける

怒りはエネルギー。

うちの家系のひとびとは、みな癇癪持ちだったりそうであったりした。要するに我が家族はあらゆる感情が灼熱のまま混ざり合った巨大な溶解炉を持っていて、中身はいつも煮えたぎっている。15年くらい前の実家では、一軒家の中に溶解炉が四つもあって、危険な事故が幾たびも発生した。どう危険かと言えばお察しの通り、超高温にまで高められた感情液が何かしらの化学反応によって急激な変化を起こし、溶解炉ごと爆発するのである。この爆発は見事なものだ。空虚な世界に熱波と火を吹く流体を瞬時にぶちまけてしまうのだから。家族や親戚にはこの溶解炉を苦心惨憺の果てに固く封印してシンゴジラみたいに有姿除却に成功した人もいるが、ぼくは一見はた迷惑なこの炉の性質を理解し引き受けて、いっそ芸術の域にまで高めたいと望んでいる。炉に怒りを流し込み、徹底的で見事な破壊の爆発を計画している。ぼくが中学生のとき、セックスピストルズのジョンに惚れ込んで、パンクにのめり込んでいくうちに、こんこんと湧いて溢れかえる憤りや情動を利用する術とその美しさとを知ったのだ。これがぼくの創作活動の原点なのである。

このことを、決して忘れてはならない。